ファイヤーバード/AB(なかほど)
 
  

ファイヤーバードが
ときどき僕の心のどっかにとまって
翼を丸めて
うずくまってしまう

テレビでもネットでも
世界のニュースが流れている
その側で
キーボードを叩くたくさんの僕らが
架空の世界の話題で
立派にも傷ついたり笑ったり
その何気ない時間に
間違いなく命を削り続けているというのに
夢か現かもさだかではない世界は
とても居心地が良くて
ただ何も知らないことが
幸せだと思えてしまう
のだけれど

傷つけずにすむのなら
戦わずにすむのなら
と目を閉じているうちに
大切なものが消えてゆく
大切なものが
消えていった
それが何かさえも忘れ
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