ガラパゴス諸島/狩心
 

アッパーカット
ラリアット
打たれ強い振りして
背ビレ、耳ビレ、鼻糞ビレ、泣きそビレ、
ビレビレしてんじゃねぇよ、かーちゃん
のノイズ、とーちゃん
のノイズ
乾杯に警笛

船は既に私を置いて
スパゴラガ諸島へ向かった
私の手の平から滴るヨーヨー
引いては返す 波のようだ
可愛くも震えて
回転する極小の天体
ザリガニが籠から飛び出して
空中で糸を切る
そのジャンプ攻撃
笑ったね
土にめり込んでもまだ
回転し続けるそれに

まだバスコダガマは死んじゃない
確か彼は
ガリレオガリレイに
ダーウィン暗殺を申し出た
ああ、確かに申し出ていた
それが達成されなかったこの悔しさ、
そこに見えた一瞬のガラパゴス
底に沈んでいく
火の

乾け、書面が叫ぶ
世界遺産に登録しろと
ジタバタするなよと
脅迫じみた愛撫が
窓の外で笑った


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