「プレゼント」/ベンジャミン
娘が
私の誕生日にプレゼントをくれた
そういえば
最近娘とは会話もしていなかった
細長い化粧箱
包装紙をやぶいて中を見ると
ドライバーが一本入っていた
娘は
私がそれを手にするのを確認すると
ニコリと笑っていつものように
二階の自分の部屋に行ってしまった
確かに
少しばかりゆるんでいたネジがあったような
私は
手にしたドライバーで
思い当たるところを数ヶ所しめてみた
特に何か変わったような気もしなかったが
次の朝
私は久しぶりに家族そろって朝食を食べていた
娘は
やはりニコリと笑って
「行ってらっしゃい」と言ってくれた
私は
「行ってきます」と返事をして家を出た
そんな当たり前のことが
何故かとても懐かしく感じられた
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