偏愛する土瀝青/A道化
 



街路樹の木漏れ日の
軽い暗号から、単なる錯乱への
変質
街路樹の木漏れ日の
軽い暗号から、単なる錯乱への
変質



染み込まない
土瀝青


指の隙間から覗く、甲虫の眼球
指の隙間から甲虫覗かせる、私の眼球
の、異なる視線の衝突時
既に、死んでいて
死んでなお熱い
路肩の砂



染み込まない
土瀝青


指の隙間から覗く、甲虫の眼球
指の隙間から甲虫覗かせる、私の眼球
の、視線の方角
方位磁石ではなく
狂っているのは

夏を触媒として
表面張力を破る



に、のみ
体開き切る
土瀝青



2004.7.2.
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