彼女の左腕/由志キョウスケ
右手のスティックで地球儀を叩き壊す
白い硝子の地球儀
粉々に砕けて、僕の指を傷つけた
左手でラジオのスイッチをいれてみる
(ノイズ)と衝突する人々の声
嗚呼、あれは
最後のファンファーレ
初めての、もう二度とない祝福
乾いた大地に花びらが散る
君の右腕を引きずって
僕は一本道を、どこまでも歩くだろう
君の左腕を見つけに
立ち止まる処はどこにも無くて
地平線の果てにも、何の望みも無くて
それでも
僕は歩き続けるだろう
君の左腕を探して
ずっとずっと、歩き続ける――
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