【長歌】はじまりの秋/AKINONA
恋をした
夏がようやく
過ぎ去って
少し冷え込む
秋の日々
「これでいいさ」と
言い聞かせ
「でも本当は」
言うまいと
「過ぎたことだ」と
目を閉じる
そんな私は
一人きり
都会の隅の
ワンルーム
ぽつりぽつりと
窓の外
雨が心に
染みていく
壁の時計が
午後をさし
手帳に書かれた
スケジュール
癒えぬ思いに
まだ少し
後ろ向きでは
あるけれど
髪を整え
傘をさし
思い出だけを
胸に秘め
恋の跡地を
抜け出る秋の日
長かったので分割しました。
前作「とある夏の日」はこちらから。
http://po-m.com/forum/i_doc.php?did=77951
戻る 編 削 Point(1)