無題17/ねろ
ねえ 聞いてよ
とても素敵な 夢を見たの
上手くは まだ言えない けれど
あの ただひたすら続く 心地よい 感触
ああ ね あたしは 一人の 人間で
それでも 良く 空 だとか 雲 だとかを
自分 だと 思って しまう
今日の夢は 人なんて 一人も 出て来なかったし
形あるもの なんて ひとつも 其処には 無かった
ただ 冷たいような 灰色と 白 でもそれすらないような
なんでもないような 色に 包まれていていて
あたしは それを 見ていたわけでは無く
ただ 目を持たないで それを 認識 していた
水蒸気の 様
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