一片の羽衣/こゆり
 
薄くゆるやかな隙間から
見え隠れする姿

ひそかに映る白い笑みは
今何を語ろうと

かたくなな心そのまま
やわらかな羽衣に包み
両手から
そっと空へと放つ
わずかにそよぐ風と
まばゆい光に乗って

一瞬でよかった
見上げる角度が違っても

認めてほしかった
小さな自分
そんなことは
素知らぬふりで

羽衣から透ける心
あなたはとうに
気付いていたのにね

重なる
やわらかな空が
もうその指先さえ
曖昧にしてしまう
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