布団の中の真白い魚/ヨルノテガム
宇宙の中にかたつむりが咲いている
無重力の中、黄緑の飴玉が雨のように落下していく
みずみずしい果物が口から溢れる今その瞬間が
ブラックホールに吸い込まれて消え失せた
宇宙人の伝言は、木目の魚が泳ぐ谷へ
連れてって 連れてって と発信し続けている
火と花火の星から口唇の星へ
そして最終的には 猫の目の星へと
その魚は旅を続けなければいけないらしい
なのに木目になって何処かの谷へ身を潜めているとのことで。
宇宙人には、捕まえてみろとばかりピースサインの写真を
送ってよこしたらしく 木目のわりには 魚の割には
ふてぶてしく生きて逃げ延びているのだった
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