「不確かな肩」/菊尾
 
んだよ

あの頃のままでいられたら
通り過ぎた過去の幾つかが僕らの行く末だったら
「変わろう」なんて言葉
聞かずに済んだはず
飲み込まれて一緒に倒れた
こんなはずじゃなかったなんて
見え透いた嘘だろう


使い過ぎた心はどうしたらいい
修復が利かない
一体何になれたんだ
必然も偶然も瞬間的なもの
その価値を人は見失う

力なく笑う君を見ながら
僕は泣く
理由も浮かばずに
そんなことは無意味だと知りながら
ただ、
僕は泣く

戻る   Point(4)