虚偽と忘却のエピソード/atsuchan69
 
しは、自分の携帯で友人のEに電話をした。彼は、大手広告代理店に勤めている。彼なら、テレビ・映画の撮影に関して、少なくともわたしよりは詳しいだろうし、その筋の情報を集めるのは容易いはずだ。
 すると彼の答えはこうだった。――
 「どうかな? 撮影機材のレンタル会社とかから、その気になれば調べられるかも知れないけどさ。俺だって超多忙なわけだし、すまないが堪忍してよ」
 「でも怪獣物だとしたら、けっこう絞られてくるだろ」
 「じゃあ、Xプロダクションにダチがいるから、あとでそいつに聞いてはみるがね」

 そこでわたしは、縋(すが)る思いで雑誌社の友人Yに電話をした。
 彼は雪男やネッシーだ
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