出口/プテラノドン
 

待ち続ける誰かの頭の中にもー出口はあって、
変換不可能な可能性を開放するのに
一ダースほどの鉛筆を費やすことが出来るが、
実際は使い切ることは困難だと私たちは
学校生活において嫌というほど学んでいるし、
こうしてまた学びつつある。

 冬の日の灰色、寂れた遊園地の迷路。
入口でも出口でも構わない。大きくあいた
恐竜の口をくぐる者はいない。
遥か頭上を、ジェット機が飛んでゆくだけ。
そして、ペンキがはげ落ちて、もはや
亡霊と化したピエロの看板が、
降ってくるはずもないビラを受け止めようと
両手を天に、突き上げている。
じきに、哀れな手の平に雨粒が落ちる。
ー誰かが泣いている。そう思うのは自由だけど、
まったく、ギロチンみたいな舌だね。
「死ね」だなんて。
そんなの誰も待っていないぜ。
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