流れに潜む/ねなぎ
ゆるりと流れていく
時はあたかも
水よりも濃く
血よりも深いように
世界はつんざめく
交わりのようだ
柔らかな絶望
這うような諦め
吐くように塗りたくり
溶けていく無意識
得体の知れない現実が
生々しく横たわり
滑るような幻想を
汚して一つになっていく
世の中はまるで
流れ出す闇のように
見れもしないで探る
感触のように
支配と抵抗を繰り返す
気づくのならば
生命のすぐ横に
不安定になぞる
感情すら満ちて
こぼれる
あふれる
にじんで
ゆがみいく
根源であり
終着であるように
べとつくように
まどろむように
はっきりとしない
水の緩やかな
底の幸せは
取り込まれて
いつか
気がつきもしなくなる
複雑から派生して
いつしか帰る無限は
始まりから終わるなら
ばら撒かれて統合する
時は交わりて
ゆるりと全てを
流していく
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