姪肉/黒川排除 (oldsoup)
柱研がれて朝焼けの六対になる
思い出の本に無くした腕の跡
肺に達する狐を揺らして教会に行く
重い気泡徐々に浮上し階下で弾ける
熊の手を熊から降ろす階段長い
だれもかも老いたる竜のそばの一滴
水を薄く伸ばして頭の後ろから入れる
紙折れている方にあるぼくの部屋
牙がシートから抜けない振り子を眺めている
ベーカー街ある日の塵飢えていて紫煙
電気信号阻害する沈黙狂気は机上に
血が分かる姪肉親の向こう見る
谷底から電球吊す強い風
路地裏からカクンと降りてくるレバー
したたり足りぬ雫枝を押し破りぱらつく
喚び声に似た舵で突き上げる海
砂糖分けて市が見える砂糖が気がかり
車輪虚仮威しに回る タオル引き寄せつつ
月のない家の息に浮いている窓
本取る不快な仕草からひらがなひとつ
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