液体/69
溶けて溶けてドロドロした液体の中
柔らかくて優しくて暖かい温もりにも似た感情
僕は幸福気分に浸りながらずっと君を見つめてる
妖しいリズムが心地良い昼下がりの中で君と
ほら、交じり合う事のない液体の中で二人
歪んで溶けて残って溜まっちゃう
きっとこれは幸福と云う名の不幸福なんだよ
一時の夢を夢見て現実に溺れて沈む僕たちの
気休めにしかならない僅かな時間なんだよ
排水溝に流れてく感情感傷痛い傷は
全部ゴミになって溜まって蒸発するんだ
こんなにも淫らで美しい僕らの液体は多分
誰も見つけられる事は出来ないよ
優しい唄を口ずさんで濃密にトロトロに溶けて
いつかは形を失って僕も君もあの空に還るんだ
絡まる糸と糸を繋げたらきっと僕たち
もっと
愛し合えない
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