曇天の街で/アハウ
地平の果てまでも
永遠に続くような 街並み
今日も 曇天は目配せする
低い土地に
風はゆっくり 堆積して 吹きだまる
喫茶の二階から
試掘のパイプを繋ぐ
今 過ぎていった 感情の沈殿を見るために
甘い 情動が漂う 香ばしく
窓から 地面に溢れる
音楽とともに
吹き寄せられて
まるで 落ち葉のよう
生暖かな
桜の花があっていい
花曇というに 似合う日は
掘り出すべき
地層がある
後も無ければ
前もない
今 ここで
溢れかえった 魂で
言葉を 光らす
建設の快感
今 歩く
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