自傷/黒子 恭
夜のような血液に充たされたい時があって、
なけない時は特に 私の腕に涙を流してみる
感情の臨界点を探している
蓋のない砂漠を見ている
砂塵に呑み込まれて蜃気楼
くらくらする頭、エンドロール
どれほどの叫びで 痛みを越えるのだろうか
絆になる傷を舐めた、少しだけ苦いね
ハンカチを濡らして そっと涙を拭う
取り留めの無い嘘みたく、繰り返す
ねえ、砂漠の夜は冷えるだろう
それでも涙は熱を帯びて
懐かしい歌を口ずさんで
思い出よ早く、懐かしくなれ
明けない夜の隙間に埋めて
そこにそっと、かさぶたをのせるから
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