雨/由志キョウスケ
 
傘を持っていたけれど
わざと濡れて帰りました。

一片の隙間も残さずに
体中がぐっしょりと濡れて
重たくなりました。

見えていますか。

濡れるのはイヤじゃないって
自分に言い聞かせていました。

見えていますか。

ランドセルが肩に食い込んで
とても重たいのです。

見えていますか。

傘を持っていたけれど
わざと濡れて帰った
わたしの顔が

あなたに

あなたに
見えていますか。
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