如月銀河/本木はじめ
空中に浮かんだ花を掴みたい無理して夢を壊してみせて
顔の無いひととたくさんすれ違う朝のホームに溢れるひかり
階段があるなら上がる本当は下っているとわかっていても
弁当の時間バシバシ衝突すごめんね左利きでごめんね
梅の香を嗅ぐきみ見つつ悲しみに包まれ風は冷えゆくばかり
寝違えが治るまで待つ天窓に降り初む雪を目で追いながら
思い出が紫色に発光す昨日昆虫図鑑で見た蜘蛛
青色のカーテン降りてさようなら夕闇だらけの冬の屋上
会わずにはいられないとか汚れたねいつかもいちど透き通るまで
しりあすな状況苦手知らぬ間に三月グッバイ如月銀河
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