足音に耳を澄ます/kauzak
 
右足と左足の発する音は
明瞭に違っていて

それは大地を踏みしめる
力の違いでもある

厳密に言えば僕は
左に軽くよろけながら
歩いているのだ

それが右手の小指に感じる
鈍い痛みと関係があると
直感的に思う

けれどその意味は分からない
むしろ意味はないのかもしれない

ただ囚われるように
確信だけが降りてきて
僕の中を過ぎる

足音に耳を澄ましながら歩く
軽くよろけながら
刻むリズムに満たされている

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