おなじ道 空の群青 名もなき風と飛行機雲/相良ゆう
もりを知らない木漏れ日
病めるときも健やかなるときも
お互いを理解して尊重して
いつまでも一緒に歩いていけたらいいね
いつか交わした ちっぽけなわたしたちの願い事も
色褪せてほこりをかぶったセピアの写真のように
寂しく静かに時をかさねて忘れられていくのかな
どうすればあなたに私を届けることができるだろう
かすれはじめた飛行機雲に心重ねる
無邪気に舞い戯れ撫でる名前もない風
消えないで 消さないで
ゆっくりと霞んでゆく白い糸
できることなら真っ赤に染めて
つながっていたいと願ってもいいでしょう
言葉だけでも存在だけでも不安になる
だから 触れて 見つめて
抱きしめて 確かめさせて
ふたりが ちゃんと ここにいること
朱に染め上げる夕の陽
霞んでしまった飛行機雲
暮れなずむ宵に漂う陰の月
雲にかけはし霞に千鳥
およびないとて惚れまいものか
惚れりや夜も日もないわいな
いつそとんまに なつたさうな
あゝ さうじやいな
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