うるう、る(夢)/唐草フウ
 


かべにいつまでも描く手をやめない
(やさしさまでこすり付けないで)
夢のなかで きみは
何もない荒れた家
かまわず境をなくし触れてきた

少しだけある地下室
何もないと思わせる、未来
もがくもがく
くもがくれ


ああ日付が変わった よ
どうして眠っていたのだろう
あまりにぼくは手をくわしく描こうとし過ぎて
そんな夢を見ていた


きみはずぶとく ようきで
でもいつしか
きえていた
傷の深いはずのぼくは
なぜかとても
しっかりしていた
不安でたまらなかったのに





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