卒業/yo-yo
の太陽がせんせいに見つかってしまった
没収しても処分に困るので
ぼくと子すずめは廊下に立たされた
次の日
ぼくは学校をさぼる
元気な病人は子すずめとたっぷり遊んだ
植木鉢で巣をつくって屋根に置いたら
どこかの親すずめがせっせと餌を運んできた
翌日も学校をさぼる
カーテンの陰から
昼間ずっと
すずめの親子を見張っていた
その翌日も学校をさぼった
雨だった
親鳥は来なかった
ゆうがた
子すずめが死んだ
卒業式の日
せんせいがまた
黒板いっぱいに
「心に太陽を持て」と書いた
せんせいが泣いたので
みんなも泣いた
黒板の字が見えなくなった
ぼくは震える手をポケットに突っ込んだ
ポケットは空っぽだった
戻る 編 削 Point(5)