ニ長調で憎しみを唄おう/佐々宝砂
 
わからないものに質問しても
たぶん答は得られないので

秋の初めの風のように
いくぶん鋭い金属質の響きで

愚かしくみえる沸騰には
整った和音で対応すること

冷笑じみた混乱には
はきはきしたリズムで応えること

何かを告げるためにうたわれるメロディは
きっぱりと美しいので

たまには挑みかかってみよう
夏のさなかの太陽のように好戦的に

曲がる予定はさらさらないので
真っ直ぐ突き刺すこと

折り目正しく昂揚して
ニ長調で
憎しみを唄おう
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