花/江田孝太
 
君を咲かせた
僕は水をやった
ただそれだけ
日曜の朝の風に揺れる
君はとても綺麗に見えた
それは認めよう
ただ品がないね

春が来たっていうのに
無口な君は
黙ったまま枯れていた
あっけない終わり
あれから水を
与えなかった所為
ささやかな罰
受け入れたくないや

同じような日曜の朝
なのにずっと俯いたまま
ずっとイエス、と頷いたまま

綺麗とはもう程遠い花
色だってすっかり
褪せちゃってさ
だけどこれは認めよう
君にしちゃ随分
潔いね
僕もそうなりたいや
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