三様/木屋 亞万
 


先生は鼻から笑う
君は規則の良さを知らない
自由なだけではいけない
制服をいかに着飾るか
いかにお洒落に刈り上げるか
校則の範囲内でどれだけ遊べるか
それが青春というものだ
規則の豊かな俳句か
俳句より洒落た川柳か
いつか君も青春を振り返り
どちらかを選ぶでしょう

でも散文も続かない
作文持久力がないので
文脈が涸れてしまう
言葉は散らばり
目的地を失ったまま
うやむやに消えていく
紅葉してない楓のような
近くでも買えちゃう土産のような
置場に困ってしまう置物のような
喪失感に襲われがっかりするのだ

旅人は口から笑う
貴方は飛ぶことを知らな
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