サークル/鈴木
学生の政談やらが渦巻いておりました。このように僕が周りの音を聞くことが出来たのは、はるか先輩が二合徳利を舐める行為に専念されたようで一言も漏らさなくなったからであります。ちろちろと白い縁から側面へ舌を這わせるさまはどこかいとおしげで、見ている者の鼻下を緩ませること請け合いでした。おわかりでしょう。先から申し上げている興奮とはずばり情欲であり、「結論」とはつまり宿願たる性行為への希望でありました。無論そんなものは脳裏に小さく浮かぶだけで、すぐに理性や倫理や責任から取り囲まれて砂にされるのですけれども、かつて好きだった異性と二人で酔っ払っている状況に冷徹でいろと言う方が無茶ではありませんか。興奮くらい
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