サークル/鈴木
トルに烏龍茶が約半分を見つけすぐに貪りました。食べ終え一息つくと急に惨めな気分に陥り僕は苦笑したくなりました。何が、無へ、でしょう。空腹に負けて体を動かし、たかだか一食分の物資を発見しただけで喜びユウレカっているさまを想像してください。ありもしない第二のイマーゴを拝みながら恥部をさするエロ餓鬼に、なんと似つかわしいことか。汚れた姿を避けようとした隘路がまさにその姿への大通りだったのであります。たどり着いたのは「もういい」という、意志薄弱な人間が最終的に辿りつく典型的な言葉でした。死ぬ勇気があるでもなし、ひとまずここから逃げよう、寝よう、目が覚めれば曙光が精神まで照らしてくれるだろうと思い、まただ、
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