メール/パッサカリア/チアーヌ
 
もう、食いつきたい。
するとまた。
ブルンブルンブルン
またメールだ。なんだってんだよ畜生。
 無視だ無視だ。
しかし。
ブルンブルンブルン
ブルンブルンブルン
携帯は何度も震え続けた。
なんだ?なんだよ?何かあったのか?
さすがに不安になった俺は、右手を結衣ちゃんの腰に手を回したまま、左手でパチンと携帯をあけた。
するとメールが立て続けに5件入っていた。
そしてそのメールはすべて、妻からのものだった。

『さようなら』
『さようなら』
『さようなら』
『さようなら』
『さようなら』

俺が顔をしかめてメールをチェックしていると、頭上
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