みずの春彩/山中 烏流
 
ばかりの
若葉だろう
 
 (な。
 
 
言葉の海に
溺れていった、朝
そのはじまりで
私は
弾けた色に、
手を振りながら
 
(夢を見ていた。
 その木漏れ日の
 感覚だけで私は
 歩けると思えた)
 
もうすぐ
触れてしまうのだ、と
幾度目かの産声が
告げる
 
 
 (もう、こんなにも
         近い。
 
 
みずいろに淡い
夕暮れを、迎えて
遠いところはまだ
嫌々をするように、
しろい
 
生温い風は
いつのまに、方位を
決めてしまって
私はいつも
そのしっぽの部分を
見るばかりだった
 
 
今、横切った
 
 
 
 
 
 (春、が
 
 
 

戻る   Point(4)