抱夜/一筆
 
誰かを抱きしめたくて
たまらない夜がある

互いの名前は知らなくていい

腕の中に温かい吐息を包んで
言葉で何かを交わすような
優しい気遣いはいらないから

飽き果てるまで貪り尽くし

夜明けを待つわずかな間に
満たせない孤独を思い知る

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