歩日/ヨルノテガム
 
靴音は静かに
押し黙った

もう街の雑踏に辿り着いていた
靴音は押し黙っていた

座った男は、やさしく聞いた
おい、何考えているんだ?
俺が何を考えているかぐらい本当はわかっているんだろ?

靴音は
重い口を開いた



何かに打ちのめされたがっているお前もめでたい奴だ



男は黙った
男はしばらく押し黙りたかった



「何か」はわかっているさ













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