夢。/AKiHiCo
 
指を絡めて唇で交わす約束
水を背中に浴びせたら
さあ、夢から醒めよう。夢から、
鎖をようやく外す時がきた

嗚呼、終焉の始まりで
幕は上がろうとしている
まだ目蓋を開けてはいけない
誘ってくる香りはキミ、
気付かない振りで
疼く体躯をシーツに

甘く甘く蕩ける蜜
その声、聞きたかった
唇を重ねて舌を交えて
今宵、キミの虜になるか
キミを僕の虜に

脳の片隅に棲んでいる人が
残していった鎖
過去の出来事を過去にさせるまい、と
今も静かに佇んでいる
けれど、

僕は夢から抜け出す
終わらない遊戯を停める
本当の僕で生きていく
そう決めた

溜息、一つ零せば浮かんでくる
幸せとは何かという

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