謝罪/鳳エクスプレス
 
の思いだったり
君への謝罪だったりして
こんなものを
君に見られては
恥ずかしいので
イタズラに君が
それを見ようとして
走り出しても
僕はそれに気付かず
君のことをまたすぐに
忘れてしまうのだけれど
もちろん
他の大事なことも忘れて
何一つ残さず
綺麗に掃除された部屋に
君の思いや謝罪を
汲むことも
できないのだけれども
テレビには
字幕だけが
映っては消え
映っては消えて
その一つ一つが
君への思いだったり
君への謝罪だったりして
面と向かって
伝えることなんてできないし
手紙にもできないので
嘘はつかない範囲で
いつも通り
走っている君の
遠い後ろ姿に気付いては
見えなくなる一瞬を
部屋の窓から眺めていた





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