夕焼けの色 頬にください/さくらほ
 
夕焼けの色 頬に下さい



過熱する愛を雪で形造るその身焦がして融けてゆく君

絡み合う糸は指で解けなくて もがけばさらに絡まってゆく

巻き髪を指で遊びくちづける君のおもちゃになりたい全て

熱い君に綺麗に溶けて甘くなる日向色したお砂糖一つ

鼻先を耳元につけ「また明日」夕焼けの色頬にください




Many thanks


流れてく車窓に触れる雪の線辿る指先浮き上がる熱

前髪の雪をふるふる振るう君 子犬の仕草子犬の瞳

ペディキュアはたった一人の人のため淡い色した春の花びら

若々し生命の匂い立つ胸にほんのりと朱広がってゆく

やはらかな時間も頬も明日からは過去のものになるという今日

破けてる心を繕うものは針 傷みは痛みで治すしかない

口をつく言葉は鎧を着てるのに詠う言葉は裸の心

さよならの後にも道が続いてる君なしでも歩いてゆける

燃え残る魂が空駆けぬよう君よ後ろを振り向くなかれ

空は青どこかで君が生きているそれだけだけどそれが何より


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