黒い吐気/
信天翁
もがりぶえが急きたてるのか
子犬のように足元へまとわりつく
プロムナードの枯れ葉たちょ
勘弁しておくれ
びっくりするぢゃないか
杖をたよりのおいぼれは
そうだ
いつになったらつかめるだろうか
おまえさんと握手するきっかけが
あゝ 遠い昔に消えちまった
おいらの無聊に甘えた歳月も
悔恨に苛まれた年齢も
そして
いまがいまになって
いとおしげにたばねている
にびいろの空にうかぶ
数えきれない虚像のかげを
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