わたくしごと/高島津諦
 
詩をうたおうとして気づいた癖
「私」という言葉を使う癖
私は 私が 私の 私に
私の(ほら、また私)詩は「私」にまみれている
それはつまり 私は私のことしか好きじゃあない ということ

綺麗な物語が好きなんじゃない
物語に投げ入れた私が好き
悲しい歌が好きなんじゃあない
悲しさに浸っている私が好き
綺麗な言葉が好きなんじゃあない
綺麗な言葉を纏った私が好き
私は私に首ったけ

私の目はぐるりとひっくりかえり
頭蓋骨の奥を 自分の脳みそだけを 見詰めている
そうやって自分を探って
けれど何が見つかったのだろう

さ迷う冒険者
逞しい戦士と美しい妖精とすばしこい
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