終わる、世界が、始まる/木屋 亞万
十代も終焉に近づき
周囲は透明感を持つ
錆びた滑り台で
僕は雲と交信している
前線は今どの辺りだい?
犬と会話していた
緑の紐持つベージュのコート
公園が散歩ルートの
君に一目惚れ
最期に相応しい恋
僕は一度死にまた蘇る
新たな世界を用意して
待っていてください
公園以外の君を見て
夕方以外の君を知るから
雲を散歩している
オホーツク海気団の団長
前線では冬将軍が
善戦しておりますよと
返信を送った
滑り台は凹んだ音を立てる
若い娘の尻追い掛けて
本当馬鹿みたいねと
うなだれる姿勢が
滑り台のいつものポーズ
僕はPM4:16に生
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