生死決定/アハウ
 
その 時

生なる状態で 為した行為は
魂にイメージ刻印される

死なる状況が近づくに従い
死=イメージのみの世界がせり上がり
やがて魂を専有し始める


呼吸はしているのだ
心の蔵も動いている
しかしカテーテルの流動食が
直接 胃に与えられる

もう 魂だけの存在に限りなく近づいて

目は明暗を識別し (偉大な夜と昼はあり
耳は物音を聞き  (多分に動物のようだ

看護のやさしい 心根の波動は
色彩となり 私に近づき
魂の色を橙色に染めていった

およそ 人間的な! 
為された行為の決算書を読んでいる 私

この息も絶え絶えの肉体に宿る

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