ほのおのおの/黒川排除 (oldsoup)
 
港で毛並みのいい犬が火を吐いている

母屋の息苦しさと隣り合わせ箪笥軋む

茂みの兵に気付かず船膨らみ撃たれる

揺らぐ門の前に立ちペットボトル覗く

細かい交差の中火となる鉄幾重に伸び

焼け落ちていく餅今目のへん過ぎた

濁る螺旋を滑る歌いながら肌の褐色

暗い天気に仮名を振られて麻痺する花

森が常に奇数であるよう斧を持つ

忘れたい夜景に浮かび上がる茎

離れる小島の隙間を海で埋める腰

電力迸る商店街コロッケ片手に

島食べられたクッキーの食べかす海底へ

引き返す牛の肋骨Y字路に

家ほどの粘土くり抜き帰宅する

庭先の本当の先が風を分かつ

船見えて眉間の鉄を迂回する

帽子逆さにして晴天をうろうろ日没

緑見たことある目の数え方倒れる

橋の霞無垢ですガラス熱されて
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