幻/
城之崎二手次郎
ワールドカップ初戦を明日にひかえた午後。学校から帰った僕は、あわてた様子の母に連れられて応接間に入った。ソファから立ち上がってあいさつをしたのは、サッカー日本代表の監督だった。驚いて言葉も出ない僕に、ツートップの一人になってくれといった。ただのサッカーファンが、なぜ選ばれたのか。翌日、僕は大歓声が降り注ぐピッチを駆け回り、最初のゴールを決めた。めくれ上がった掛け布団が顔にかかって目が覚めた。
あとがき。
二〇〇字物語第二十五弾。
戻る
編
削
Point
(0)