肉感/大覚アキラ
 
その眩しさを
目玉のいちばん先端の
敏感な部分で呑みこんで
身体中の毛穴を開いて
そこから叫び声をあげる
目も眩むほどの暗闇のなかを
まっ逆さまに転がり落ちて
深いところにたどり着いたら
静かな音で口笛を吹いて
悲しみの色で塗り潰す
掌の小ささと嘴の鋭さを
天秤に掛けてみて
羨ましさに傾いたら
頭のてっぺんから
見る見る腹黒くなっていく
指の腹の柔らかな部分で
なぞるようにそっと
舐めるようにそっと
戻る   Point(0)