白蝶/
木立 悟
夜の街を越えてゆく蝶
飛ぶものたちの音は聞こえず
ただ光の散った跡だけが
道の上をつづいてゆく
雨は低い空にはじかれ
羽のように銀を流れる
光の殻の外側に
飛ぶものたちの音はかがやいてゆく
しんとした夜を過ぎてゆく蝶
かつてここを去ったものたちの
記憶のような光の跡が
白と黒とを繰り返しながら
道を空に変えてゆく
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