遺書/ゆるこ
のお茶を机に置いて
おじいちゃんはゆっくりと眺めます
時折目の窪みに血管が集まり
おじいちゃんは丸く笑います
その度に背筋は小さくなり
それは大事に抱え込まれます
おじいちゃん
私が呼ぶと
優しい瞳を寄越します
ここなはね、もういっさいだよ
おじいちゃんは小さくつぶやくと
ましろなそれをだきしめます
だんだん、おじいちゃんは前のめりになり
やがて、ビー玉/飴玉みたいに
まんまるく なりました
ああ、おじいちゃんはいしょ と いっしょになりました
それはしんぴてきなけつごうで、
ときはなたれたてのひらは
くうかんをとかしながらここをだきしめました
だんだん
おじいちゃんはかみふうせんみたいなうつくしいまるになり
ぽふん
と、おとをたてながら
あおいそらにすいこまれました
私が空を眺めると
まんまるい大福が笑っています
風になったおじいちゃんは
今ごろどこかの電話越しにいるのでしょうか
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