クリームソーダ/
亜樹
小さな泡が
ぷつぷつと
うかぶ
クリームソーダが
好きだった時期がある。
けれど実際
私は炭酸が少し苦手で
いかにも人工的な緑色も
エイリアンのようで嫌だった。
だというのに
クリームソーダが好きだった。
昔読んだ小説で
主人公が母親とクリームソーダを飲む、
その描写が好きだった。
だからクリームソーダが好きになった。
そんな風に
私にとって
「喜び」とは
いつも自己とは
はなれたところで
生まれるものだったのだ。
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