ひとつ かえる/木立 悟
 




光の布が
足跡を聴く
異なる色に
離れてゆく


雲は癒え
残りのうたが降る
視界には常に
羽根が映る


直ぐに落ちた火が
足もとを廻る
光の芯の光
触れるとさらに光り 遠のく


水と声が会い
花になり
夜へ到き
夜に沿う


やわらかく何度も
かがやきが噛む砂
うすく目を閉じ
砂は眠る


泡のなかの海が寄せる
音がひとつ燃えている
ひたし ひたされ
曇照らす手のひら


長くのびる
一粒の影
砂はうたう
空に返す

















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