Error/ニカコイ
 
窓の外から
パトカーのサイレンの音が
聞こえる

僕は少し硬い
メロンパンを
かじりながら
洗面所の蛇口をひねると
先端からサイレンが
溢れだして来た

1秒と1秒の隙間に
入り込んでしまった
警報音で僕たちは
ひとときも
休めなくなってしまった

他者のErrorに
敏感になってしまった
社会は人を
信用しないことから
すべてがはじまる

でも誰ひとりも
僕たちが向かっている先を
知っている人はいない

窓の外から
パトカーのサイレンの音が
聞こえる

でも誰ひとりも
僕たちが向かっている先を
知っている人はいない


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