詩のレスポンスについて、一端。/秋津一二三
 
のがマザー・テレサであるが、私は他人の尊厳を守れないし、守りたいとも思わない。しかし、詩の尊厳だけは守りたい。そのために色々と人間としてはどうよそれ、的なことをやり続けてきたせいか、あまり人間としての体(体裁)を保てなくなってきた。自分にとって肝心なことを言わずに応じるのが厳しくなってきたともいう。
 私は他人に期待しないところからはじまったのだ。誰かが詩の尊厳を守ってくれるさ、とか、いつかレスポンスのない詩はなくなるさ、という事を考えられたのなら、それは他人に希望を持つ、人間らしい優しい姿であっただろう。しかし、そうではなかった。目の前に孤独な詩があれば、その詩に、その詩だからの、何かを残そう
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