「 いつか、どこかで春が。 」/PULL.
の。でもだいじょうぶ。
すぐに晴れて、あの空みたいにおおきな声で、
からから笑ってしまうから、だってあなたの
笑顔はこんなにも、お母さんにそっくりだも
の。」
見上げる、まぶしい、雲ひとつない、空。
は裂けている、空は、涙を流さない、空は、
その裂け眼から雨を、流すのだ。だからあた
しこの眼の中で、空を宿し、雨を、流して…
いる。
六。
しんしんと、やつの上に降りつもる、あた
しの罪を覆い隠す。ように、あたしの雨を凍
らせる。ために、しんしんと、しんしんと。
雪が。
罪深く、裂けた空の下、すべてのものに降
りつもる。
Sin, Sin,
Sin, Sin...
了。
戻る 編 削 Point(2)