「求めない」/麻生ゆり
 
「求めない」ということは
なんて難しいのだろう…
何をするにしても
私は求めてしまう
愛情を そして感謝を…
ときとしてただ悔しくて
泣いてしまいたいときがある
いや、事実泣いてしまった
優しさや同情が欲しかったのだろうか…?
違う! 違う違う!
そのはずだ
でも私が絶望を味わったとき
全てがどうでもよくなった
どんな人の言葉も
憐れみとしか思えなかった
それが「求めない」ということか?
いや、それは間違いだ
本当に「求めない」ということは
自分自身との戦いの中にある
身を削って削って
それでも「求めない」のであれば
それこそ本当の「求めない」になるのではないか?
「求めない」…
それは決して「求める」ことの裏返しではない
戻る   Point(2)